マイノリティをめぐる聖典の記述やその釈義は歴史的文脈の中でいかに視覚化され、信仰実践と結びついてきたのか。
仏教とキリスト教の女性像に焦点を当て、性の表象の越境的性格について多角的な観点から検討する。
中世宗教におけるジェンダー研究を分析軸に据える二人の白眉研究者が協働し、各々の専門領域の視点から、宗教間比較のグローバルな議論の深化を図る。

大谷 由香 (おおたに・ゆか)
京都大学白眉センター/人文科学研究所特定准教授
京都大学白眉センター/人文科学研究所特定准教授。専門は仏教学、特に東アジアの仏教戒律思想交流と展開。著書に『中世後期泉涌寺の研究』(法藏館、2017)、編著に『性なる仏教』 (勉誠出版、2025)、『超越する教義問答:『東大寺六宗未決義』『自他宗唐決疑問』を読む』(法藏館、2026年3月発刊予定)などがある。

仲間 絢 (なかま・あや)
京都大学白眉センター/文学研究科特定准教授
京都大学白眉センター/文学研究科特定准教授、ハーバード大学大学院東アジア言語・文明学研究科アソシエイト兼任。専門は美術史学、特に聖母マリア信仰をめぐる神秘主義思想の芸術的・文化的変容。著書に『『雅歌』の花嫁神秘主義とバンベルク大聖堂彫刻群』(三元社 2022年)、論文に「ゴシック美術と奇跡の可視化:視覚モデルにおけるイメージの物質性と花嫁神秘主義に関する試論」(『京都美術史学』第6号、2025年)などがある。
タイムテーブル
14:00–14:10 趣旨説明
14:10–14:50 大谷 由香「仏典にみる〈釈尊の家族〉の説示」
14:50–15:30 仲間 絢「聖母子像における神秘の視覚化と性の解釈」
15:30–16:15 ディスカッション、質疑応答
書籍紹介
大谷 由香(編)
『性なる仏教』
(勉誠社、2025年刊行)
仏教教団は世俗社会からの支持・支援によって成り立つゆえに、その説示内容は、世俗社会における性的役割分担をはじめとする当地・当時の「常識」に左右される。女性や性的少数者など、仏教史上のマイノリティの存在を仏教はどう想定してきたのか、仏教学・歴史学・美術史学など多様なフィールドの研究者が迫る。
