イベント概要
本学文学研究科の松永伸司准教授(メディア文化学)が共編者の1人を務める新刊『クリティカル・ワード ゲームスタディーズ』(フィルムアート社)が、2025年6月26日に刊行されました。
今、大きな注目を集めている学問分野・ゲームスタディーズですが、本書はゲームと遊びをとりまくさまざまな論点を、多様なアプローチで解きほぐす、ゲームスタディーズの待望の入門書となります。
その刊行を記念して、松永先生に加えて本書編者の吉田寛先生(東京大学)、井上明人先生(立命館大学)、マーティン・ロート先生(立命館大学)をお迎えして、ブックトークを開催します。
本書の内容を検討しながら、本書の見どころや、ゲームスタディーズの可能性や今後の課題についてもお話しいただきます。ゲームについて考えることの面白さや、ゲーム研究の奥深さについて、一緒に考えていきましょう。
学外からの参加も歓迎いたします。奮ってご参加ください。
書籍概要
吉田寛/井上明人/松永伸司/マーティン・ロート編『クリティカル・ワード ゲームスタディーズ――遊びから文化と社会を考える』(フィルムアート社、2025年)
本書は、さまざまな領域を巻き込み活況を呈するゲームスタディーズを学ぶうえで、知っておきたい基礎知識と重要な論点を、多様な視点とアプローチでわかりやすくコンパクトに解説した、本邦初・待望のゲームスタディーズの入門書です。
[遊び][ルール][インタラクティビティ]などの基礎概念、[チート][没入][アバター][物語]などのゲーム文化を形成するキーワード、ヨハン・ホイジンガからイェスパー・ユールまでゲーム研究の必読文献ガイドをバランス良くマッピングし、幅広い射程がありながらポイントを絞り込んだ、ありそうでなかった構成が本書の大きな特徴です。
登壇者

吉田 寛
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授(美学芸術学研究室)。専門は感性学、ゲーム研究。著書に『デジタルゲーム研究』(東京大学出版会、2023年、第33回大川出版賞受賞)、『絶対音楽の美学と分裂する〈ドイツ〉』(青弓社、2015年、第37回サントリー学芸賞受賞)など。美学会会長。

井上 明人
ゲーム研究者。現在、立命館大学准教授。ゲームという経験が何かについて論じる『中心をもたない、現象としてのゲームについて』を連載中。単著に『ゲーミフィケーション』(NHK出版、2012年)。開発したゲームとして、震災時にリリースした節電ゲーム『#denkimeter』や『コモンズの悲喜劇』などがある。

松永 伸司
京都大学大学院文学研究科准教授。専門は美学。著書に『ビデオゲームの美学』(慶應義塾大学出版会、2018年)、訳書にイェスパー・ユール『ハーフリアル――虚実のあいだのビデオゲーム』(ニューゲームズオーダー、2016年)、ミゲル・シカール『プレイ・マターズ――遊び心の哲学』(フィルムアート社、2019年)など。

マーティン・ロート
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。専門はゲームスタディーズ、デジタル文化、批判理論、日本研究。著書に『Thought-provoking Play』(ETC Press、2017年、オープンアクセス)、『Unboxing Japanese Videogames』(MIT Press、2025年、オープンアクセス)など。