概要
吉川忠夫『魏晋清談集―『世説新語』を中心として―』、法藏館 (法蔵館文庫) 、2025年。
この本は、1986年に講談社から出版されたものの文庫化です。40年近く前の本ですが、いまなお読む値打ちのある一冊です。副題にある『世説新語』は、魏晋時代、3〜4世紀の中国の文化人が放った味わい深い言葉や、考えさせられる行動を、多く記録している書物です。吉川先生の紹介を通じ、必ずしも立派とは言えない魏晋の面々の言動が我々に示すことについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。古勝と田尻との対談形式で開催します。
登壇者

古勝 隆一(こがち りゅういち)
京都大学人文科学研究所・教授
福岡県出身。博士(文学)(東京大学)。中国古典学の研究者です。老荘思想・儒教を主として、中国古典全般に関心をもっています。書物はもちろん大切ですが、それらの書物を生み出して伝えた有名無名の人々の存在に、光を当てたいと考えています。

田尻 健太(たじり けんた)
京都大学・桜美林大学非常勤講師
1995年生まれ、福岡県出身。博士(文学)(京都大学)。中国古典の解釈の歴史を研究しています。古人が古典と格闘してきた思考の痕跡を辿ることで、「権威」や「常識」が作り上げられてきた過程と向き合いたいと考えています。